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禁断兄妹

第14章 地獄への入り口


真っ白な頭の中に

母さんの姿が浮かぶ

父さんの見舞いを待つ
遠い目
細い背中


「‥‥どうして‥‥黙ってた‥‥」


俺は呆然と呟いた。


「亡くなった夏巳を慕っているお前には、どうしても言い出せなかった‥‥本当に、すまなかった‥‥」


父さんは青ざめた顔を強張らせて
テーブルの上に視線を落としたまま
うなだれるように頭を下げた。

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