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禁断兄妹

第14章 地獄への入り口


俺は父さんに背中を向けた。

引き留めるように
俺の名を呼ぶのが聞こえた。

もういい

俺の名を
もう呼ぶな

俺は振り返らずに
部屋を出た。

廊下に
美弥子が立っていた。

今にも泣き出しそうな顔で
震えながら俺を見ている。

俺はその横を無言で通り抜けて
自分の部屋に戻ると
財布と携帯を手にして

もう戻りはしないつもりで
家を飛び出した。

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