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禁断兄妹

第24章 美弥子の告白


「私は二十四歳の時に巽さんの会社に事務の派遣社員として入ったの。
 当時彼は札幌営業所の所長だった。
 ばりばり仕事をこなして、仕事の鬼みたいな人。
 口数は少なかったけど、大きな暖かさがあって真面目な巽さんは、部下からも上司からも頼りにされる存在だった。
 私は挨拶くらいしか言葉を交わすことがなかったし、結婚していることは知っていたけど、一年の派遣期間の間、私はずっと彼に憧れていたの」

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