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禁断兄妹

第33章 熱帯夜 ~ひとつになる夜~


***萌side ***                                       
                

こんなにドキドキしながらお風呂に入るのは
初めて

こんなに念入りに髪や身体を洗ったりするのも
初めて


「部屋で、待ってるから」


先にお風呂に入ったお兄ちゃんは
キッチンにいた私にそう声をかけて
ダイニングを出ていった。

静かな声
濡れた髪

広い背中がドアの向こうに消えて
私はその場にしゃがみこんでしまった。

心臓が壊れそうなほど打ち鳴らされて
今もまだドキドキと息苦しい。

あの夜無理矢理されたこと
今日キッチンでされたこと
そういうことを
またしちゃうんだ

そして
それ以上のことを
しちゃうんだ‥‥

私はぷくぷくと
頭のてっぺんまでお湯の中に沈みこんだ。

お兄ちゃんが
私を待っている

一つになろうと
私を待っている

空間を越えて感じる
お兄ちゃんの熱

お湯の中
自分の心臓の音が
速く
強く
鳴り響く。


「ぷは‥‥」


浮き上がって
ぼんやりと天井を見上げる。

すごく緊張してる
でも
怖くはない

お兄ちゃんが好き
すごく好きなの

お兄ちゃんと同じ世界が
見たいの

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