禁断兄妹
第39章 和虎
俺と要は一年以上前から身体の関係があった。
昔から俺は好きなのは柊兄だけと公言して
特定の相手を作ることはなかった。
月に一度か二度店に来ていた要
ある日口説かれて
身体だけの関係でいいならと言った俺に
要はそれでもいいと笑った。
その頃の柊兄は
ふらふらと色んな国へ留学だかワーホリだかに出ていて
日本にいないこともあったから
寂しさに耐えきれない俺には身体だけの男が何人かいた。
要もその内の一人だった。
お互い気が向けば身体を重ねる都合のいい相手
一回り以上年が離れている要には大人の魅力があったし
身体の相性も良かった。
でも
身体だけの関係と一線を引き続ける俺に
要が苛立ち始めていたのはわかっていた。
ちゃんと付き合わないか
あのニアミスの日の数日前
身体を重ねた後のベッドの中で要は真面目な顔でそう言った。
じゃあもう会わない
これで終わりだ
即座にそう言ったら
要は
わかったよ、と苦笑して
それきり何も言わなかったけれど
執着を見せ始めた要との関係に
俺は潮時を感じていた。