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禁断兄妹

第43章 優しくしたいけど‥‥無理かも知れない~ベッドの上で②~


「柊‥‥っ」


荒い吐息混じりの切迫した声に我に返る。


「しゅ、う‥‥っ」


萌が俺に向かって
まっすぐに両手を伸ばした。

その両手から俺の胸へ
透明な音をたてて
星が流れた。

手のひらに一片の雪を受けたような
しんとした音がした。

初めて出会ったあの日
俺に向かって伸ばされた小さな両手が
鮮やかに蘇る。

お前まだ二歳だった

ああ
何も変わらない

俺はあの日からずっと
お前に心を奪われたままだ

その伸ばした両手に吸い寄せられるように
のめり込んでいく俺の身体

萌の両手が俺の首に回って
可愛い力で引き寄せられるままに
俺は萌に折り重なった。

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