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禁断兄妹

第56章 禁断兄妹6th プロローグ


『今日ね、お母さんと一緒にクリスマスのクッキー作ったの。とっても美味しく出来たから、食べに来て欲しいな』


寝る前に柊へメール。

これからは毎日寝る前に
おやすみの代わりにメールをしようって決めた。

私からのメールは嬉しいって
できれば写真も付けてくれたらもっと嬉しいって言っていたから
お母さんに撮ってもらった
クッキーをつまんで口に入れかけてる写真を添付して


「‥‥送信っ」


今までは特に用事がないとしなかったし
柊が家を出てからずっとメールのやり取りはなかったから少し緊張するけれど
私達はもう
恋人同士だし

胸の奥がぽっと熱くなる感覚
なんとなく座っていられなくて
私は勉強机のライトを消すと携帯を手にしたままベッドに寝転がった。

本当は
クッキーのことよりも
灰谷さんのことを柊と話したい。

灰谷さんに私達のことを正直に打ち明けたほうがいいんじゃないかって
柊に相談したい。

でもそれはメールじゃなくて会った時に話したいから


「いつ来てくれるかな‥‥」


しばらく来れないかもと言っていた。

柊はやっぱり反対するだろうか

ぼんやり天井を眺めていたらメールの着信音
思わず飛び起きた。


『食べたい。行けそうな時は行くから。それと、和虎がお前に会いたいって。今があるのはあいつのお陰だし、近いうち三人で飯でも食いに行こう』


変わらない
簡素だけど優しい言葉
目で追うだけで側で囁いてくれるよう。

それに
和虎さんと三人でご飯だなんて嬉し過ぎる。

会ってお礼が言いたいって私も思っていたから。

───今があるのはあいつのお陰───

本当にその通りだ。

私達は
二人きりで生きている訳じゃない。

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