テキストサイズ

NNK

第3章 舞台裏・壁



「逃げちゃったじゃないか」


サラリーマンは呟く
不満ではなく
意外、という声

自分の演技に問題はない
他者に責任もない
可笑しいのはあの若者だ
そう言いたげである


「まぁ、団長が気配を消せなかったのが問題かもね」


顔が整わないJKは
その厚い化粧を一気に剥がす

分厚い仮面から現れたのは
染み一つない純白の素顔
もしホームの人間が立ち去らなければ
数秒は見入る程の美しさだ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ