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美鈴「…じゃあそろそろ行くね」

香苗「向こうの家族に迷惑にならないよ
うにね」

美鈴「わかってる、お母さん行ってくる
ね」

母「いってらっしゃい」

美鈴「行ってきます」

香苗「美鈴、待って、カップケーキ作っ
たから皆さんで食べてって渡して」

美鈴「あっ…ありがとう」


拓真が出た後
新しい靴を履いて
時間差で美鈴も出ようとしたが
玄関先で香苗から思わぬ土産を渡されて
しまい
美鈴は少し
困惑してしまった


香苗「いってらっしゃい」

美鈴「行ってきます」

香苗「…」


出発直前に渡された
香苗手作りのカップケーキ
甘さ控えめだけど美味しいカップケーキ
普段なら
大喜びだけど
今日ばかりは喜べなかった


だけど
このカップケーキ
これが後にあんな形で香苗の手元に戻る
とは
この時は誰も
想像していなかった


香苗「…」