それでも好きな人
第15章 不慮の事故
拓真「なんか、ねっ…」
美鈴「…」
お互い
口にはしなかったが
考えている事は一緒だった
お姉ちゃん、香苗はもしかしたら…
もしかしたら
自分達と同じように…
美鈴「…」
拓真「背中流すね」
美鈴「あっ…ありがとう…」
拓真「…」
気恥ずかしさから
タオルで前を隠していた美鈴
もう何度も裸を見られているし今さらな
気もしたが…
美鈴「…ねっ…ねぇ…」
拓真「何」
美鈴「スポンジ…スポンジがあるから…
手じゃなくてそれで…洗ってよ…」
拓真「知らないの?」
美鈴「えっ?」
拓真「スポンジやタオルで体を洗うより
素手で洗った方が刺激が少なくて肌には
いいんだよ?」
美鈴「…だっ…けど…」
肌に良くてもなんでも
素手で体を洗われるのは恥ずかしくて
体を丸めこれ以上触られないよう
抵抗したが…
拓真「ほらっ、隠さないで…」
美鈴「あ…タオ…ル…」
拓真「ちゃんと前も洗わなきゃね」
美鈴「…」