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それでも好きな人

第18章 さよなら



美鈴「…寒い」


朝5時過ぎ
人気はまだ少なく
肌に感じる空気も冷たかった


美鈴「…」

拓真「美鈴ちゃん?」

美鈴「!?」

拓真「良かった来てくれて」

美鈴「お義兄さん」

拓真「でも予定の時間より早いよ?」

美鈴「お義兄さんだって」

拓真「そうだね」

美鈴「(笑)」

拓真「少し早いけど行こっか」

美鈴「うんっ」


その場の気分で電車やバスに乗り込み
行く宛てのない自由気ままな
二人の逃避行が
始まった


美鈴「ねぇ見て、海が見えるよ」

拓真「寄ってみる?」

美鈴「うんっ」


バスを降り
海に立ち寄った二人
季節が冬だけあって海の家も閉鎖中
当たり前だったが海の水も冷たかったが
それが逆に素敵な雰囲気を
醸し出していた


美鈴「…」

拓真「寒くない?」

美鈴「大丈夫だよ、ありがとう」


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