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華のしずく~あなた色に染められて~

第28章 【剣(KEN)~華のしずく~】 運命の邂逅

「―」
 青年は短い思案の後、軽く頷いた。
「よし、取引成立だ。その刀、俺が買おう。ただし、一両ってのは、いかに何でも無理だ。その半分ってのは、どうだ」
「親分ッ!」
 後ろの若者が素っ頓狂な声を上げた。
「あんな訳も判らねえ代物をそんな大枚払って買うんですかい」
「煩(うるせ)えぞ、浅」
 青年が一喝すると、浅と呼ばれた若者はすぐに黙り込んだ。

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