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華のしずく~あなた色に染められて~

第29章 【剣(KEN)~華のしずく~】 決意

 もうこれで何度目になるか判らない溜め息をついた時、浅太が耳元で囁く声で、ハッと我に返った。
「お頭。大変だぜ」
 眼を開くと、薄い闇の中で、浅太の切羽詰まった顔があった。
「どうした、何かあったのか」
 龍伍が上半身を起こす。浅太の大きくてギョロッとした眼が射抜くように見つめていた。
「おそのちゃんが殺された」
「何だと!?」

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