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華のしずく~あなた色に染められて~

第29章 【剣(KEN)~華のしずく~】 決意

「おそのの亡骸を見せて下せえ」
 龍伍が頭を下げると、留五郎は首を振った。
「見ねえ方が良い」
 龍伍とおそのが互いに淡い想いを抱き合っていたことを、この岡っ引きは知っている。
「しかし―」
 なおも食い下がるように言う龍伍に、留五郎は沈痛な面もちで言う。
「酷(むげ)えもんだ。さんざん弄んだ挙げ句に、後ろからバッサリとやられて、殆ど即死だ」

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