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華のしずく~あなた色に染められて~

第30章 【剣(KEN)~華のしずく~】 闇に喚ばれし者

 そうしていると、不思議と身体の奥底からふつふつと勇気が湧いてくる。そろそろ隼人が姿を見せる頃だ。龍伍が二度目の吐息をついた時、背後に人の気配を感じて、龍伍はハッとした。
「誰だ!?」
 振り返り、低い声で問うと、月の光に人影が浮かび上がる。
「浅太?」
 龍伍が愕きに眼を見開く。
「一体、どうして、ここへ―」
 茫然と呟く龍伍に、浅太が淡く笑った。

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