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華のしずく~あなた色に染められて~

第3章 【華のしずく】~夏雷~

「殿、殿のお気持ちはお察し致しますれど、今はお躰第一と思し召されまして、ご養生専一になされませ」
 珠々が控えめに言う。信成は傍らの珠々に手を伸ばした。二人とも湯帷子一枚だけで温泉に浸かっている最中であった。
「鷹虎の奴め、今頃、勝利の美酒に酔いしれていることであろうよ」

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