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華のしずく~あなた色に染められて~

第4章 【華のしずく】~試練~

「―!」
 珠々は身も凍る想いで、咄嗟に口も開くことができなかった。信成は青ざめた珠々を痛ましげに見つめた。
「向こうからは重臣の娘を代わりに人質として寄越すそうだ。だが、娘とは申しても姪を養女にしたにすぎぬ。さりながら、そなたはこのわしの妻じゃ。もう一方の砂金の取り引きについても、いかにしても当方に条件が悪すぎるとは思わぬか」

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