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華のしずく~あなた色に染められて~

第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~

 珠々が言うと、秀吉は小さく頷いた。
「そうか。確かに貞女は二夫にまみえずとも申すからの。残念だが、そこまでの覚悟があるであれば、無理強いはすまい。どうやら、俺としたことが、真にそなたに惚れてしもうたようだ」
 秀吉はそう言うと、声を上げて豪快に笑った。
 ほどなく、小姓が戻ってきた。小姓から小さな箱を受け取った秀吉は、わざわざ自分から珠々に近寄ってきて、それをそのまま珠々に差し出した。

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