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華のしずく~あなた色に染められて~

第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~

 在りし日の信成の笑顔が瞼に蘇る。
 風がそっと側を通り過ぎる。石榴の葉が揺れていた。
―珠々。
 樹々のざわめきの中に、珠々は、ふと信成の声を聞いたような気がして、背後を振り返った。

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