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華のしずく~あなた色に染められて~

第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~

 ちなみに、珠々は朱雀の国に帰還を果たしたその五ヶ月後、男子を出産した。生まれた若君は幼名を松千代、成人して後、父の片いみなを取って信晴と名乗り、佐竹氏の名跡を継ぎ、朱雀の国の領主となった。
 一方、羽柴秀吉は、生涯正式な妻を迎えることはなかった。あまたの側室を持ちながら、彼はついに実子に恵まれなかったが、一説には彼は胸に秘めた意中の女性がおり、女好きで艶聞家の彼には似合わぬプラトニック・ラブを貫いたのだとも云われている。
(おわり)

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