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華のしずく~あなた色に染められて~

第6章  雪の華~華のしずく~

 その天下人たる秀吉が後盾となるとあれば、若い信晴にとってはこの上ない庇護者である。しかし、朱雀の国と青龍の国の長年の関係を考える時、庇護者とはやはり名ばかりであり、事実上は信晴の監視をしているのだと思えなくもなかった。
 現に、秀吉は信晴がまだ松千代の幼名を名乗っていた童の頃に自身の娘(養女)と婚約させ、早々と縁戚関係を結んでいた。

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