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　このまま手をこまねいていては、徳姫はそれこそ本当に狂ってしまうのではとも思い、いっそのこと無理にでも徳姫を青龍の国へ連れ帰ろうかとも考える。理由は何とでも、病ゆえ、しばしの療養のためとでも取りつくろえば良い。秀吉が出戻ってきた徳姫を粗略にするとは思えないし、徳姫のためにも信晴との婚姻はなかったことにするのが良いのではと柏木は考えるのだ。
　そんなことを考え耽っていた柏木の耳を、徳姫の声が打った。