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華のしずく~あなた色に染められて~

第7章 【雪の華~華のしずく~】二

 静かに障子が閉まる背後で、徳姫は何かの物音を聞いた。バサッという鳥の羽ばたく音と雪が音を立てて落下する気配。大方、何かの小鳥が枝から飛び立った拍子に、葉枝に載っていた雪が落ちたのであろう。ふと振り向くと、障子に羽をひろげて羽ばたく鳥の影がまるで幼い頃眼にした影絵芝居の一幕のように映っていた。

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