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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

「お義母(はは)上さまに? 信じられませぬ。お義母上さまはいつも気高く凛としていらせられ、私など到底、お足許にも近づけないように存じますのに」
「私にもそなたのように多感な頃があった―、もっとも、もうはるかな昔のことじゃが」
 貞心院は婉然と微笑んだ。
「私も今のお徳さまと同じ、亡き信成さまと真の夫婦になるまでの日々は随分と思い惑いました」

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