テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

「可愛らしい姫を迎えて、どのように接したら良いものかとあの子なりに戸惑うておるのでしょう。二、三日前、信晴どのがふらりと訪れ、女子を歓ばせるには一体どのような品を贈れば良いのかと訊ねて参りましたよ。私はすぐにお徳さまのことを申しているのだと判り、いかなる品を贈るより今はただ、遠く故郷を離れて淋しい想いをしている姫にせめて温かい言葉の一つなりとかけて差し上げるようにと申し上げたのじゃが」
 貞心院が笑った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ