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華のしずく~あなた色に染められて~

第10章 【紫陽花~華のしずく~】一

「いざとなれば、秀吉の首をかき切ってやるまでのこと」
 明子は、漸く色づき始めた庭の紫陽花を見つめた。梅雨特有の鈍色の空が低く垂れ込めている。いかにも陰鬱な空模様は、今の明子の心をそっくりそのまま映し出しているようであった。

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