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華のしずく~あなた色に染められて~

第10章 【紫陽花~華のしずく~】一

「暴力で私の身体を欲しいままにするのであれば、すれば良い。力ですべてのものを従えることができるというのは、そなたの思い上がりよ。私の心まではそなたの自由にはならぬ」
 流石の明子もここまで言って、秀吉が笑って済ませるとは思わなかったが、秀吉は明子を見つめる眼をすうっと細めた。その眼差しが一瞬遠くなったように思えたのは、明子の思い過ごしであったろうか。

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