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華のしずく~あなた色に染められて~

第13章 【残菊~華のしずく~】一

 と、意外に親しみのこもった声が先より間近で聞こえた。だが、この声をどこかで耳にしたことがあるような気がするのは、気のせいだろうか。
「もそっと近くでよう顔を見せてくれ」
 それでも五喜が躊躇っていると、大きな手が五喜の顎を掴んで顔を上向けた。
「ホウ、随分と娘らしうなったの」

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