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華のしずく~あなた色に染められて~

第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人

 だが、ふと、その時、秀吉の心に疑問が兆した。
 千都は一途なまでに信仰への道に生きようとしている。彼女の未来の中に、自分という人間はどのように組み込まれているのだろう、いや、千都は自分をどう思っているのだろう。
 もしや―、秀吉の胸に不安が生まれる。千都は秀吉を最初から異性と見てはいないのではないだろうか。いや、この想いは彼の一方的な横恋慕だとしたら? 秀吉の思考はめまぐるしく回転し、心は千々に乱れる。

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