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華のしずく~あなた色に染められて~

第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人

「もし、俺が! 力で千都を妻にすると言ったら?」
 それは、けして言ってはならない言葉であった。千都が涙の浮かんだ眼で言った。
「お願い、これ以上、私をがっかりさせないで。あなたを嫌いにさせないで」
 千都が泣きながら礼拝堂を出てゆく。古びた扉が大きな音を立てて閉まった。
 秀吉は茫然として、後を追うこともできないでいた。

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