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華のしずく~あなた色に染められて~

第18章 【花紋~華のしずく~】 一

 信斉は二十七歳、二十歳のときに一度結婚したが、わずか三年後にその妻を流産のために失っていた。最初の妻は朱雀の隣国白虎の領主藤堂家の姫であった。
 夫婦仲はとりてて良くも悪くもなかったというが、何しろ、信斉は艶聞家で知られている。二十歳で十六歳の妻を迎えた時、既に信斉には数人の側室がおり、二男一女の父であったという手回しの良さである。

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