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華のしずく~あなた色に染められて~

第18章 【花紋~華のしずく~】 一

 藤堂家の姫の懐妊が判ったのは、結婚後三年のことであり、当時、朱雀や白虎の国の家臣一同狂喜したが、姫はあえなく六ヶ月で流産、胎児は世継となり得る男児であったため、周囲の落胆と嘆きは大きかった。そして、当の姫自身も流産後の肥立ち良からず、その三ヶ月後に十九歳の若さでみまかり、ここに二国の姻戚関係もついえた。

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