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　今年十二になる藍丸は、ここ青龍の国の領主羽柴秀吉に仕える重臣砂山(さやま)時寿の末弟である。藍丸には時寿の他に時範(ときのり)、時高(ときたか)の二人の兄がいる。時寿は二十五であり、既に主君秀吉の姉紺姫を娶り、子にも恵まれている。が、十五の時範、十四の時高は他家との養子縁組が決まってはいるものの、いまだ屋敷内で気儘に暮らしていた。