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華のしずく~あなた色に染められて~

第20章 【朱夏~華のしずく~】

 藍丸は唖然とした。秀吉が自分を少女だと思い、側室として側に召し上げようと思ったとは―、女の身ならば、まさに玉の輿であろうが、男としては心中複雑であった。
 秀吉の笑いを含んだ声が続く。
「藍丸。先刻の話は忘れよ。されど、お蘭としてではなく、時寿が弟藍丸として命ずる。来春より城にあがるが良い。側小姓として出仕致せ」
「は、ハッ」

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