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華のしずく~あなた色に染められて~

第22章 【夕桜~華のしずく~】其の壱~飛花~

 秀継という生きる標(しるべ)を失い、自分は一体これより先の長い生涯をどのように過ごせば良いというのだろう。秀継こそ、帰蝶の生きる希望(のぞみ)そのものだったというのに。帰蝶の身体が風に舞う花びらのようにフワリと倒れ、彼女はそのまま意識を手放し、深い深い底なしの闇に沈んでいった。

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