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華のしずく~あなた色に染められて~

第23章 【夕桜~華のしずく~】其の弐~夕桜~

「お方様、京の二条関白家の奥方様よりお届け物が参っております」
 帰蝶は虚ろな眼差しを動かし、ゆるりと振り向いた。
「二条関白の奥方様といえば、秀継様の姉君
の寧子様よりの届け物か?」
「はい」
 茜が恭(うやうや)しく押し頂くようにして差し出した品を帰蝶は受け取った。それは塗り箱に入っており、蓋を開くと、文と反物が出てきた。

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