テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第24章 【夕桜~華のしずく~】其の参~山梔子(くちなし)の夜~

 急に黙り込んだ秀康に、帰蝶は言った。
「青龍刀は羽柴の家に代々伝わる家宝にて、このお家の正式なる当主の証にござります。その青龍刀をお持ちや否やとお伺い申し上げておりまする」
「帰蝶、そなた―!」
 秀康の双眸が射抜くように帰蝶を見つめた。
 鋭い眼差しで帰蝶を見つめ、秀康は詰問するように言った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ