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華のしずく~あなた色に染められて~

第25章 【花屑(はなくず)~華のしずく~】

 今年七歳になる鞠姫はこの頃、口達者で寧子ですら言い負かされる始末である。
「鞠姫、掬姫はまだ幼いのです。そなたは姉なのですから、もう少し優しくしてやっても良いのですよ」
 寧子がたしなめる口調で言うと、鞠姫は頬を膨らませた。
「お母様はいつも、同じことばかり仰せになられます」
 寧子は小さな吐息をつくと、泣いている掬姫を差し招いた。

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