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いつまでも、何年経っても切なくて

第17章 今は恋する気分じゃありません

私はバイト代を貯めて実家を出た


響とのことを考えずに済む環境が欲しかったから


もうあの窓の向こうの景色に
惑わされることは無い


実家からはさほど遠くない場所を選んだから
両親とはしょっちゅう会っていた


私が少しずつ生き生きしてくる姿を見て
お父さんもお母さんも喜んでくれていた




仕事も二年も働き続けるとそれなりにはなるものだった


私と同年代の学生さんと話すのは楽しかったし
刺激にもなった


私は自分で勉強して、調理師の免許を取得した



だけど、私を大きく成長させてくれた大好きだったこの職場を辞める時が近付いていた



私が21歳の時


転機が訪れた

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