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いつまでも、何年経っても切なくて

第17章 今は恋する気分じゃありません

何だろうこの雰囲気は...
私は上司にからかわれているのだろうか


「中嶋、俺はなぁ
誰にでも優しい男じゃないぞ


好きでもない酔っぱらいを家に送り届けて朝飯作って一緒に食うなんてしないぞ」


私は今告白されているのでしょうか?


『小野寺補佐って、私のことが好きなんですか?』


「中嶋、お前バカか?」


『バカって確かによく言われますけど
私、遠回しに物を言われてもわからないんです』


小野寺補佐が吹き出した
「お前、本当おもしれーな」と


『そうですか?でも私、いずれにせよ
今は恋をする気分じゃありませんので』


「ふぅん」


ふぅん?


「辛い過去でもあるのか?」

............


こういう時、うまく嘘が言えたらいいのに



一瞬で響の顔を思い出してしまう



それを私は慌てて頭の中から追い払った



今まで何度こうしてきただろう...

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