地雷女。
第7章 モテキ?!
特に東口から二丁目、三丁目、歌舞伎町、ゴールデン街は人間らしい顔を持っている。
喧嘩をしているカップル、イチャイチャしているカップル。帰りにラーメン屋に寄るホストやキャバ嬢、夜中開いているフラワーショップに質屋、美容整形外科まで。
この街は夜は眠らない。
人間観察をしながら歩いていると、あっという間に菅野さんが待つお店に着いた。
シックな感じのレンガの壁に木のカウンターのバーで、ウイスキーとシガーが主流で少しカクテルのある落ち着いた店内。
アタシが来たのにすぐに気が着いては、軽く手を降っていた。
「やあ。」
男性らしいダークトーンの囁くような優しい声にキリリとした爽やかな出で立ちについ、惚れ惚れしてしまった。
「お待たせしました。」
「何に致しますか?」
マスターらしき人が静かな心地の良い声でにこやかに聞いてくる。
「ライと君は?」
「アタシはスコッチソーダで。」
「かしこまりました。」
マスターは菅野さんにライ麦ウイスキーをロックで差し出しては私にはスコッチソーダを手早く置いた。
"ライ"と言っただけでロックで出てくるとは常連なんだと思った。
流していたレコードが終わり、次の曲をセットして流した。