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「そんなことで真希さんが泣くわけないでしょ…」



ベリッと光瑠から真希を引き離した要は光瑠に近付いて強く睨み付けた。



「何をしたんですか…」


「だから、何もしてないと言ってるだろうがっ」


「何もしてないのにいつも気丈な真希さんが泣きますかっ!?」


「───っ…ちょっと怒鳴っただけだっ…！！」


「はっ…！そんな嘘が通じるとでも思っているんですかっ…！」



あまりの要の迫力に、光瑠は目を泳がせる。


そんなにも言われると、やはり自分が何かしたのではないかという気がしてくる……


なんだ…っ
何がいけなかったっ…


「────真希さんが泣くのは、隼人か…あなたが関係しているときしかありません」


二人の間に緊張が走る…


「待ってくださいっ…あのっ…そうじゃなくてっ…」


慌てて二人を止めようとする真希の腕を光瑠が掴んだ。


「きゃっ」


「何があろうがこいつは俺のものだっ！」


ギリッと奥歯を噛んだ光瑠を要は片眉を上げて見つめると、光瑠に引っ張られていく真希のもう片方の手首をすかさず掴んだ。