
ももいろタイム【完】
第12章 出逢い
そろそろお開きかな、と思った時
「ねぇ、聞いてほしいんだけど」
「ええ、何かしら?」
「好きなんだ。君が」
思わず頬が赤く染まる。
カウンターの下で、手を握られ………
私はギュっと握り返した。
「出ようか」
その言葉に頷いて席を立つ。
手を引かれbarを後にする。
そのまま彼は手を上げて、タクシーを止めた。
車に揺られ着いたところは、真っ白でシンプルな装いのマンション。
エレベーターでしるされたのは、最上階。
数少ない扉を開けて、彼は私を招き入れる。
「返事は?」
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