あの学校には...
第6章 家に帰って
ドクッドクッ..
奈津の心臓が大きく動く。
手を当てなくても分かるくらい大きく動いている。
これは恋...
なわけなく、怯えている。
というのだろうか、そんな感じの鼓動。
奈津は自分の部屋の隅っこでまるで死体の様に、座り、右足を曲げて手を床にぶら下げている。
「奈津姉ちゃんーご飯だよーー」
弟の声。
リビングから聞こえる。
「はっ....はぁ~ぃ......」
疲れ過ぎていて声がでない奈津。
「お姉ちゃんー?」
当然、弟には聞こえてない。
コンコン
「お姉ちゃん?入るよ?」
ガチャ
「お姉ちゃ..うわ!!」
弟は部屋の隅っこにいる奈津の様子を見て、驚いた。