片想いの行方
第11章 悩んで揺れて、また悩む
待ち合わせの駅に着いて周りを見渡す。
「……あ! 見っけ」
街のメイン通りから、駅に戻ってくるヒメの姿が見えた。
うーん…
制服だけど、やっぱり目立つなぁ…
信号待ちの横断歩道の向こうで、ヒメが手招きをしたので、あたしは急いでヒメの近くまで走った。
「ヒメ、もう着いてたの?」
「何人かと飯食ってたんだよ。
みんなはそのままカラオケ行った」
「えっそうなの? ごめん!」
途中で抜けさせちゃったんだ…
電話しちゃって悪かったなぁ…
「別にいーよ」
ヒメは表情を変えずに続ける。
「それより俺、パンケーキ食いたい」
「……は!?」
な、なんて言った…?
いきなり意味わからないんですけど…
困惑するあたしに、ヒメは笑顔を見せた。
「奢ってよ、美和」