片想いの行方
第12章 違和感
ヒメは前を向いて歩き出した。
「………あ、じゃあ……」
あたしはぺこりと会釈して、ヒメのあとについていく。
すると
「待って」
後ろから優香さんが呼び止める。
「美和ちゃんは、姫宮くんの彼女じゃないんでしょ?」
「…えっ?」
あたしは思わず振り返る。
ヒメも立ち止まった。
「付き合ってないなら、私より美和ちゃんを優先する理由はないよね?」
「………!」
優香さんは笑顔のままだけど、すごく冷静でゆっくりと話す。
な、なんかちょっと怖い……
優香さんはあたしの方は全く見ずに、ヒメだけを見つめていた。
「あ、あの……あたし……」
思わず発した言葉の途中で、ヒメが遮り私の横に並んだ。