片想いの行方
第14章 夏祭り
花火は夜7時半から始まる。
今は6時過ぎたところだから、それまでは商店街に並んだ出店を周ってブラブラすることになっていた。
だんだん空が薄暗くなってきて、ワクワクしてくる。
あと2人を待っている間、あたしはアンナに近寄った。
「アンナ、今日誘ってくれてありがとうね。
もうすっごい嬉しい」
「あはは、大げさだな~。
いいのよ、私も美和と来たかったんだから」
アンナはニカっと笑って、他の子が喋ってるのを確認してから、ヒソヒソ声になる。
「…それより。
どうなのよ、蓮くんとの水泳教室は♡」
アンナはあたしの肩にガシっと手を回す。
「……うん。
お陰さまで、10m泳げるようになったよ」
あたしは顔が火照るのを感じながら小さく呟いた。