片想いの行方
第19章 一緒にしないで
ヒメの声を聞いて、あたしの涙腺は一気に崩壊した。
さっきまで耐えていた感情が、一気に溢れてしまう。
『お前今どこにいる?』
「…高校の近くの…並木道…」
『そこから1歩も動くんじゃねーぞ』
ヒメが低い声でそう言って、電話は切れた。
あたしは並木道の片側にあるベンチに座った。
泣きすぎて、頭がぼーっとする。
夕陽が木々を照らして、木漏れ日が私に注がれる。
犬の散歩をする人が横切り、陽菜ちゃんと同じくらいの子達が笑いながら通り過ぎた。
そんな目の前の景色を眺めていると
しばらくして、1台の自転車が猛スピードで近付き、あたしの目の前で止まった。
「…………ヒメ…」
夕陽に照らされて金色に光る髪を揺らして
息を切らしたヒメがあたしを見た。