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片想いの行方

第21章 夕暮れの帰り道

………………


駅までの細い道を、自転車で軽快に進んでいく。



気温が下がらない真夏の夕暮れの中、吹き抜ける風が気持ちいい。



サドルの後ろを両手でちょこっと持って。



あたしは、すぐ前にある蓮くんの後ろ姿をじっと見つめていた。







夕日が両脇の木々からこぼれて、キラキラと蓮くんを照らす。



その光を見て、あたしの頭の中に、1週間前の情景が浮かんでくる。



……あの時も、今日と同じように


ヒメの明るい髪が、夕日に反射して、金色に光っていた。




「…………」



胸がトクンと鼓動を奏でる。






…似てるよ………




蓮くんも、ヒメも……

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