片想いの行方
第24章 練習…?
「……はぁ……はぁ……」
肩で大きく息をして、全身の力が抜けて崩れ落ちるあたしを
ヒメは片手でしっかりと支えた。
そして、そのままぎゅっと抱きしめられる。
「…………っ」
苦しいくらいの、力だった。
それなのに、もうひとつの手は壊れ物を扱うかのように、やさしくあたしの髪を撫でている。
どうして……?
やっぱり、ヒメがわからないよ………
揺れ動く自分が嫌になるくらい、あたしの頭はまたしてもヒメでいっぱいで。
窓際にいたとき、見上げられていた蓮くんの視線には
まったく気付かなかった。